クリエイティブディレクターってかっこいい

人生つれーと思った時なんか書く日記

おらはおらの死を死にたい。

「めんぼくね」と、頭を下げて、その老人は僕が譲った席に腰をかけた。
訛りのきつい老人は、目を瞑り、愛おしそうに小汚いカバンを抱きしめた。

服装だけを見ると、おそらくホームレスだと思われるが、本当のところはわからない。貧乏人を装った金持ちの可能性だってある。小汚いカバンには唸るように札束がひしめいてるかもしれない。
そのように、考えてみると本当にこの汚い老人が金持ちに見えてくるから不思議だ。

なんてことのない通勤電車に緊張感が張り詰める。
私しかこの老人が金持ちであることを知らないのだ。

私は老人の金を奪うことができる。
1000万をゆうに超える額がそのカバンには入っている。
「私なら、お前より、その金を有意義に使うことができる。」

そんなことを妄想していたら、目的の駅にいつの間にかついていた。
老人を見ると、すやすやと寝息を立てている。その寝息はゴミのように臭かった。